こんにちは、こころです。
アカハライモリは赤いお腹が特徴ですが、フグと同じ「テトロドトキシン」という猛毒を持っていることを知っていますか?
え?アカハライモリって毒あるの?
触ったり飼ったりしても大丈夫なの?
そんな疑問と不安に答えます。
私は4匹のアカハライモリを飼育しています。飼育を始めてから、もう5年以上が経ちました。この経験から、アカハライモリの毒についても身をもって知ることに。
この記事では、アカハライモリの赤いお腹の意味、フグと同じ猛毒を持つ理由、毒に触れた時の対処法など、毒に関する内容を徹底解説します。
毒の知識がないと、思わぬ危険があるんです!
アカハライモリの毒は微量でも猛毒であり、触れた際の対処法を知ることは重要です。知識を深めて、アカハライモリとの共存を楽しみましょう!
アカハライモリってどんな生き物?
まずはアカハライモリについて簡単にご紹介します。
アカハライモリの主な特徴
アカハライモリは、イモリ科イモリ属に分類される両生類の一種です。
主に本州・四国・九州に分布していて、水田、池、川などの流れの少ない静かな淡水域に生息しています。
アカハライモリの一番の特徴は、その名の通り、美しい赤色の腹部です。
この派手な見た目は、フグと同じ「テトロドトキシン」という毒を持っていることを他の生物に知らせるためだと考えられています。
ぼくの名はアカ。ぼく達アカハライモリには、赤いお腹以外にも他の生物にはない特徴がたくさんあるんだよ。
そうね。美しい繁殖行動とか独特のフェロモンとか。あ、驚異の再生能力もね!
でも今日は、毒について詳しく解説します。他の特徴についても詳しく知りたい! って方は、ぜひこちらも覗いてみてください。
アカハライモリの防御姿勢
アカハライモリは敵に襲われると防御態勢をとります。
目を閉じ、手足を縮めて、尾っぽをクルクル巻き、体をエビ反りのようにのけ反る姿勢。
そして、そのときに体の皮膚から白くて臭い粘液を出します。これが毒です。
しばらくこの態勢のまま、敵が離れていくのを待ちます。
アカハライモリの毒
アカハライモリが真っ赤なお腹をしているのは、フグと同じ「テトロドトキシン」という毒を持っていることを知らせるためです。
テトロドトキシンとは?
テトロドトキシンは、一部の細菌(ビブリオやシュードモナス)によって生産されるアルカロイドであり、フグの毒として知られています。
ビブリオとかアルカロイドなど難しい言葉が出てきたけれど、要するにフグの毒ってこと!すごく怖いものだよね。
ぼく達だけじゃなく、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、スベスベマンジュウガニなんかもこの毒を持っているよ。
1909年に田原良純さんが世界で初めてフグ毒の成分を単離し、それを「テトロドトキシン」と命名しました。
テトロドトキシンは青酸カリの約1000倍もの毒性を持ち、解毒剤はありません。そのため中毒症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。
非常に恐ろしいテトロドトキシンですが、実は鎮痛剤として医療に用いられているんです。驚きですね。
アカハライモリが毒を持つ理由
そもそも、アカハライモリはどうして毒を持つようになったのでしょう。
生き物が環境に合わせて進化する中で、毒を手に入れるものが出てきました。毒によって身を守ったり、獲物を捕まえたりすることで生き残ってきたのです。
現在に地球上で存在する有毒生物は、そうした中で偶然生き残った生き物たちの一部です。
アカハライモリは体の表面にうっすらと毒をまとっているよ。
ちなみに、鳥類や人間などの哺乳類は、優れた知恵や技を持っていたため、毒を持たなくても生き残ることができたと考えられています。
アカハライモリに触れたらどうしたらいい?
では実際に、毒を持つアカハライモリを素手で触ってしまった場合、どうすれば良いのでしょう。
答えは簡単。すぐに水で手を洗うこと!
アカハライモリに触れた際の具体的な対処法
アカハライモリの毒の量は微量(ほんの少し)だから、軽く触っただけならおそらく害はありません。
というのも、テトロドトキシンは、皮膚から吸収されることはほとんどないからです。
ですが、目、口、傷口など体内に入らないようにすることが重要です。アカハライモリに触れてしまった場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
もし、炎症など、何らかの症状が出た場合は医師の診察を受けることをお勧めします。
人間への危険性や注意事項
毒は、口、鼻、目、傷口など、あらゆるところから入ってきます。そして、テトロドトキシンの成人の致死量は2~3mgです。
テトロドトキシンは消化管からの吸収が速いため、30分から4時間程度で唇や舌、指先のしびれ、言語障害、運動失調、知覚麻痺、筋力低下、呼吸困難、嘔吐や下痢、意識障害の中毒症状が現れ、進行すると死に至ります。
この毒は耐熱性があり、通常の加熱では壊れないのも怖いところです。
少し大袈裟に書きましたが、アカハライモリの毒は微量とはいえ猛毒です。そのことは忘れず頭に入れておきましょう。
知っているのと知らないのでは大違いです。
大事なことなので何度も言うよ。ぼく達に触れたときには手を洗う! これ絶対ね‼
謎の多いアカハライモリの毒
アカハライモリが「テトロドトキシン」を持っていることは知られていますが、アカハライモリの毒については、現在でも不思議で不明なことが多くあります。
実は、アカハライモリは体の中でテトロドトキシンを合成することが出来ません。
食べているエサから摂取していると思われるのですが…、よく分かっていないのです。
また、アカハライモリが皮膚から出す毒(粘液)はとても臭いのに、テトロドトキシンに強い匂いはありません。
ですので、臭い匂いはテトロドトキシンとは別物だと考えられますが、まだまだ研究段階です。
赤いお腹で警告して、臭い匂いで寄せ付けない。親切でしょ?
ぼく達、自分の身は守りたいけど、周りを傷つけたくはないんだ。
毒を持つ他の生物
アカハライモリ以外の毒を持つ生き物を紹介します。これらの生物もそれぞれの環境で生息し、自己防衛のために毒を持っています。
アカハライモリと同じ毒を持つ生物
アカハライモリと同様にテトロドトキシンを持つ生物には、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、バイ、スベスベマンジュウガニ、トゲモミジガイ(ヒトデ)などがいます。
他の毒を持つ生物
テトロドトキシン以外の毒を持つ生物もたくさんいます。例えば、次のような生き物です。
- マウイイワスナギンチャク:世界一強い毒を持っている生物として有名(毒名はパリトキシン)
- アマガエル:皮膚の分泌物に、人間にとって有害な物質が含まれている
- クラゲ: 海洋に生息するクラゲの中には、触手に強い毒を持つ種類があり、刺されると痛みや皮膚の炎症を引き起こすことがある
- クモ:世界中には毒を持つクモの種類が多数存在し、毒は獲物の麻痺化や消化を助ける役割も果たす
- ヒアリ:南米原産のハチで、刺されると激しい痛みやアレルギー反応を引き起こすことがある
ほんの一部の紹介です。毒を持つ生物に興味がある方にはこの本がおススメです。
まとめ
赤いお腹が可愛いアカハライモリ。見た目はキュートなのに毒を持っているなんて嫌だなぁって思いましたか?
確かに、「アカハライモリの毒であるテトロドトキシンは非常に毒性が高く解毒剤はない」なんて言われたら怖くなっちゃいますよね。
でも、触れた場合はすぐに手を洗えば大丈夫!! そばで見ているだけなら何の害もありません!
川へアカハライモリに会いに行くのも、飼育をするのも、知識を持っておくことが大切です。知識があれば、怖がることなく共存できます。
一緒にアカハライモリの世界をもっと楽しみましょう。
最後に、クイズで復習!
理解が深まったか確認してみてね。
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